自分の親でも義理の親でもシモの世話は絶対したくない、絶対無理だと宣言していました。施設に入れるタイミングは親が自分で排泄が出来なくなった時だと私も周囲も親本人も当然のことと考えておりました。でも気が付けば私は、義親の在宅の介護を続けるうちに普通にやっておりました。それには理由があります。まず周囲が私に無理強いせず介護者である私の気持ちを最大限尊重してくれたことです。義親は主たる介護者では無い別居の自分の娘をやんわりと拒絶し、言葉や態度で私をとても大切にしてくれました。それにより義姉は私より下の立場ということを明確に自覚して私を尊重するようになったのです。もちろん義両親は金銭管理も全て私に任せてくれました。信用されているのが分かったのできちんと管理しました。月に1度の報告も欠かしませんでした。介護の為の報酬も月に20万私に払ってくれました。義親はこう言ってくれました。
「これから嫁であるあなたがこの家を切り盛りしていくのよ。嫁に行った娘は私にとって他人です。この家の事には口出しさせません。相続も放棄させるから安心してね・・。」実際義母は遺言状を私と夫が立ち合いのもと書いてくれました。そこに嫁である私の名前も相続人として入れてくれたのです。
ここまで嫁として大事にされたらシモの世話だって平気です。お金をくれたからではありません。お金と言う形で義両親が私に感謝の気持ちを表してくれたのが嬉しかったのです。義母は昨年亡くなりましたが、本当に心を込めてお世話する事が出来たのは義母を始め私を立ててくれた周囲の方々だと思っております。義姉に意地悪をされた時は義父が言ってくれました。
「長男の嫁であるヘルパー3世に、出て行った人間であるお前は逆らってはいけない。長男の嫁に意地悪するなど世が世ならお前は打ち首だぞ!」今でも義両親を思い出すと涙が出ます。お義母さんにいただいたお金を貯めてそのままそのまま息子のお嫁さんが介護をしてくれたら同じように渡そうかと考えています。もちろんお嫁さんが嫌がったら絶対同居も介護も求めません。私も人間として尊敬される姑になりたいです。介護者として大変でしたが幸せな10年でした。